多くの企業が資金繰りで悩んでいます。
「会計面から見た理由」「どのように解消していけばいのか」をお伝えします。

会計面から見た「資金繰りが悪くなる理由」

まずは、会計面から見た「資金繰りが悪くなる理由」で多いのはこちらです。

1.事業が赤字である
2.運転資金差がマイナスである
3.借入の返済額が大きい
4.お金の流れが見えていない

1.事業が赤字である

1つ目は身も蓋もないですが、事業が赤字の場合です。
いくら売上があっても、粗利は取れていると言っても、会社全体の利益(営業利益や経常利益)が赤字ではどうしようもありません。

この場合には、「事業改善」が必須です。

事業改善とは、現状のPLを分析し、改善していくことです。
主に、改善ポイントは「売上」「原価」「固定費」この3つの観点から見ていきます。

更に売上は「売上=単価×数量」に分解できますので、合わせて4つのポイントから必要な利益になるような目標値を設定し改善していきます。

やみくもに「売上を20%上げよう!」「固定費を100万円削減しよう」といった事をするのではなく、現実的に改善できるポイントを積み重ねて、目標利益を達成するのがポイントです。

2.運転資金差がマイナスである

運転資金差がマイナスであるというのは、少し分かりづらいかもしれませんが、1番多いのは「売上の入金より先に、仕入れや外注代金を支払ってしまっている」というケースです。

例えば、売上は末締めの翌々末入金、仕入は末締めの翌末支払いだとしましょう。
4月に仕入して、販売を行った場合、次のようになります。

4月30日 売上100万円⇒ 6月30日 100万円入金
4月30日 仕入80万円 ⇒ 5月31日 80万円支払い

つまり、5月31日時点では1円の入金もないのに、仕入れ代金の支払いが必要になってしまうのです。
もちろん、支払うためには預金を取り崩したり、借入をしたりしなくてはいけません。

そうして資金繰りは悪化してしまいます。

改善するためには、「取引条件を見直すこと」が必要です。
仕入れや外注代金の支払いを、売上の入金日と同日以降にずらすということです。

もう1つの改善策は、運転資金差がマイナスでも問題ないだけの資金を集めることです。
中小企業や個人事業主には主に金融機関からの借入になると思いますが、1月分の運転資金を先に支払っても問題ないだけの借入をすることができれば、翌月からは前々月の売上の入金もありますので、資金繰りは安定します。

3.借入の返済額が大きい

「利益が出ているはずなのにお金が残らない」という会社さんで多い原因はこれです。

例えば、売上100万円、原価30万円、経費60万円の会社は10万円の利益が出ています。
しかし、毎月15万円の返済があった場合にはどうでしょうか?

毎月の返済15万円は経費には計上されません。
ですので、10万円の利益は出てしまいますが、そこから15万円の返済をしなくてはならないので毎月資金が減っていくことになります。

つまり利益が出ているかどうかというのは返済額も考慮に入れて考えないといけないことになるのです。
こういった会計上の利益と資金繰りのズレを生む科目はいくつかありますので、それも含めて把握をすることで改善をしていきましょう。

4.お金の流れが見えていない

最後はお金の流れが見えていない。
つまり自社の数字について、そもそも把握ができていないというケースです。

これに関しては、まずは、毎月自社の数字が分かる=月次の試算表が作成できている状態にしましょう。
そこからなぜ資金繰りが悪くなるのかという原因を発見することができます。

そこまでできれば後は、上記の1~3のどこかの症状に当てはまっているはずですので、それを改善することで資金繰り改善は必ず可能となります。


土谷会計事務所では、資金繰りにお悩みの個人事業主から法人まで幅広くお手伝いしております。
初回面談0円でご相談も承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。